その場所は港近くのショッピングセンター。
ちょっとした屋外広場にはおしゃれなレンガの石畳が続き、片側は海。
もう片側はベンチ・街路樹があり、ショッピングセンターの建物へと続く。

この一角から賑やかな音楽が聞こえ、人だかりが出来ていた。
ちょうどここを通りがかった我が家は、そこに行ってみることにした。
そこでは若者が一人、これから大道芸を始めるところだった。
半円形に集まった人々に、小さな子供にも見えるように子供は前の方に来るように促がしている。
私の二人の子供も前へ出て、子供たちばかりの小さな半円形の中で座って見ることにした。
大道芸人の若者が港を背に立ち、その前には小道具。
そして子供たちの半円。
少し間が空いて大人たちが集まり見物。
このようなありがちなスタイルで芸が始まった。
マジックを中心とした芸が進む。
子供たちは夢中になって見ていた。
私は途中で輪から離れ、自販機にお茶を買いに行った。
お茶を片手に元の場所に戻る前、街路樹や人垣に邪魔されながらも芸人の正面に立つような形でそれをチラチラ見ていた。
突然、芸人さんの「大丈夫ですか?」という声。
そして子供の泣き声。
倒れている自転車。
私は家族のいる元の場所に戻ってみた。
街路樹に邪魔され良く見えていなかったのだが、
自転車に乗ったオジサンがそこを通りかかったようだ。
通路でもあるその場所。
オジサンは子供たちの半円と大人の人垣の間を自転車で通り抜けようとしていたらしい。
そのオジサンも大道芸が気になる。
立ち止まろうとしたのか、よそ見をしていたからか分からないが自転車ごと転倒した。
転倒した先には子供たちの半円があり、
おじさんは自転車ごと子供の上に倒れてしまったのだ。
下で潰された子供は顔面を地面に打ったらしく流血。
倒れたおじさんも顔面を打ったらしく流血。
おじさんはしばらくその場で横になっていた。
芸人さんはすぐに近くのショッピングセンターに飛び込み、
ショッピングセンター内に救護所があるかどうかを聞いてきたようだ。
結果的には救急車を呼ぶことになったらしい。
もちろん大道芸は中断、
私たちはその場を離れてしまったので最後どうなったか分からないが、
その場で芸が再開されることはなかったと思う。
この出来事は大道芸のやり方(場所)が悪かったと言える。
確かに通行人にとって人だかりは邪魔になる。
通行人のスペースを確保しておくべきだった。
ちょっと離れた場所にはもっと広いスペースがある。
そこで行えばよかったと思う。
ただ、人を集めるのが難しそうだけど・・・。
通行人のオジサンはもっと問題だ。
なぜ自転車を降り、押して歩かなかったのか?
本人も流血していたが、子供に怪我をさせてしまっている。
子供やその親に謝罪している様子はまるでなかった。
気の毒なのは芸人さん。
一人でその場を仕切り、あれこれ手配をしていた。
彼にしてみればしばらくは凹んで、大道芸をしたくないに違いない。
その場を離れる時、私たちは横になっているオジサンの前を通った。
鼻血を出しているだけで、意識はある。
せっかく楽しんでいた大道芸を中止にしたのだから、好奇の目に晒されるのも仕方がないだろう。
程なくして救急車のサイレンが聞こえてきて、止まった。
きっとオジサンと子供が搬送されたに違いない。
もしかしたら私の子供が巻き込まれていたかもしれないこの事故。
怪我をした2人が軽いものであれば良いが。
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